【ドイツ】クーデター未遂の極右組織　識者がみるナチス「一揆」との類似性 [クロケット★]

ドイツで12月初め、連邦議会を襲撃するなどしてクーデターを起こす計画を練っていたとして、極右勢力のメンバー25人が逮捕されました。
その中には軍人や、元議員で現役の裁判官なども含まれていて、国内外に衝撃を与えました。

逮捕された極右勢力はいったい何者なのか、極右思想が広がる背景に何があるのか。

ドイツ政治に詳しい東京大学大学院法学政治学研究科の板橋拓己教授に聞きました。

――今回、逮捕されたメンバーはどんな人たちなのでしょうか。

一つの団体というよりは、寄せ集めの集団と言えます。中核にいるのは「ライヒスビュルガー（帝国市民）」と呼ばれる人々なのですが、
米国発の陰謀論集団「Qアノン」に影響を受けた人や、「クヴェアデンカー（一般の風潮に逆らって考える人）」というコロナ陰謀論者たちもいると見られています。

共通するのは、現政権への敵意と極右思想です。逮捕された人たちは自らを「評議会」と名乗り、クーデターの成功後は新しい政府をつくろうとしていました。

――極右思想とはどのようなものでしょうか。

極端なナショナリズムや差別主義です。ドイツでは「極右」は「自由で民主的な基本秩序」を否定する右派とされていて、
選挙や議会など民主主義のルールを受け入れる「急進的な右派」とは区別されています。

――中核にいるとされる「ライヒスビュルガー」とはどんな組織なのですか。

特定の組織の名称ではありません。現在のドイツ連邦共和国は第2次世界大戦後の1949年に占領軍が打ち立てたもので認めない、
正統なドイツは1871年に建国されたドイツ帝国だと主張する複数の団体や個人の集まりです。いつからあるかは不明ですが、1985年には同種の組織の存在が確認されています。

彼らはドイツの基本法（憲法）を受け入れず、独自のパスポートや運転免許証を作ったり、税金や罰金の支払いを拒んだりします。
そのため、地方の役所でしょっちゅう、もめ事を起こしています。

デモでは、黒、白、赤で構成される「帝国旗（ライヒスフラッゲ）」を掲げることが多い。

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