2年前の俺自身の武勇伝を聞いてくれ。

スペック
俺
現在高1。
当時中二？だったはず。
成績は基本的にトップ。（勉強できるの）
シスコン
妹
現在中2。
当時小6。
成績は中の上ぐらい。
ブラコン？（周りはそう言う。俺は知らん。）

事の始まりは2年前の秋。
妹が学校でいじめられてるんじゃないかと勘付いた俺は妹に
「最近学校で嫌なこととかないか？」
と聞いた。
妹は家族に迷惑かけまいと証拠を自分で消していたようだが、シスコンな俺には見ただけで様子がおかしいことかすぐにわかった。

妹は「なんで！？」って顔をした後に平然を装って
「なにもないよ？」
と言った。でも明らかにおかしいのは妹の勉強に関してだ。俺が妹に最近のことを聞く直前に妹が鞄から落としたテストの答案を見た。
点数は62点。小学校のテストにしては低いし、妹の今までの感じからしても低すぎた。たしかにここ数日妹は俺の前で勉強しなくなったなと思いながら「教科書持ってこい」って言ったら「忙しいから」と言って部屋に逃げた。俺と妹は同室なんだが部屋から締め出された。
多分妹は親には絶対に言いたくないだろうから俺は扉の外から話しかけた。
「なんとなくお前がどういう状況なんかはわかる。妹次第では俺は動いてやってもいいし、動かなくてもいい。でも相談だけはしてくれ。一人で抱え込んでもいいことはねえから。そうだろ？」
そう伝えるとガチャンと鍵の開く音がした。入っていいのだと思って入ると教科書が鞄から出ていた。そこには

ぐっちゃぐちゃに落書きされた教科書と体操着が。教科書で隠すようにしてその下に筆箱。その筆箱は俺がその前の年の妹の誕生日に買ったものだ。
きっと申し訳ないと思ったんだろうが俺は妹に
「学校行きたいのか？」
と聞く。妹にとっていじわるな質問だ。行きたくないといえば家族に迷惑が。行きたいと言えばいじめられる。どちらをとっても嫌なことが付いてくる。
「…………」
妹は無言になる。しかし、俺は答えを与えない。最初に「妹次第」なんて言ってしまったから。
それにここで答えを与えるのはいくらなんでも妹のためにならない。