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オカルト
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彡(゚)(゚)「これ……誰の結婚式やったっけ?」
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彡(^)(^)「いやあ結婚式の料理はおいしいなあ、キャビアにフォアグラもあるで」
彡(^)(^)「ワインも上等っぽいし、余興のピアノ演奏も見事やったわ」
彡(^)(^)「新郎新婦も幸せそうで…」
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「新郎新婦って、誰やったっけ…?」 - コメントを投稿する
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彡(゚)(゚)「ワイは新郎側やったっけ、新婦側やったっけ」
彡(゚)(゚)「それとも両方と知り合いやったかな」
彡(゚)(゚)「おかしいな、全然思い出されへん……」
彡(゚)(゚)「あ、ワインおかわり」 -
彡(゚)(゚)「おっと、次の余興が始まったわ」
彡(゚)(゚)「西遊記やな、上映時間は3時間か」
彡(゚)(゚)「そうそう、まずは岩の下敷きになった悟空のところへ、三蔵法師が……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「結婚式の余興って、こんな本格的なセット組むもんやったっけ……」
彡(゚)(゚)「あかんわ、なんか妙な違和感があるわ、飲みすぎたかな」
彡(゚)(゚)「新郎新婦の名前ぐらい確認せないかんわ、受付に行くか」
彡(゚)(゚)「受付は誰もおらんな……そういえばご祝儀とか渡してない気が」
彡(゚)(゚)「でも、いつもご祝儀なんか渡してないな、記帳もしてない……」
彡(゚)(゚)「……いつも?」 -
彡(゚)(゚)「えーと新郎新婦の名前は…ウエルカムボードはどこかな、外かな」
彡(゚)(゚)「そこの扉から外に出るか」
彡(゚)(゚)「……」ガチャガチャ
彡(゚)(゚)「カギがかかってる……?」
係員「お客様、どうされましたか」
彡(゚)(゚)「えっ」 -
彡(゚)(゚)「いや、ちょっと外へ出ようかなと」
係員「外へ? なぜですか?」
彡(゚)(゚)「なぜって、いや新郎新婦の名前を…その…」
係員「……」
係員「お客様、なにか混乱されてるようですが」
係員「いかがです、別室でリセットなされますか」
彡(゚)(゚)「えっ」 -
彡(゚)(゚)「い、いえ、大丈夫です、戻ります」
係員「……そうですか」
彡(゚)(゚)「(ドキドキ)な、なんやリセットって、何のことや」
彡(゚)(゚)「う、まだこっち見とるで」
彡(゚)(゚)「とりあえず席に戻ったろ…」 -
司会者「本日はお越しいただきありがとうございました」
司会者「列席者のみなさまは左手出口より退場し、お部屋にておくつろぎ下さい」
彡(゚)(゚)「終わったか、とりあえず部屋に戻るか……」
彡(゚)(゚)「左手の出口から廊下をずっと行って、810号室がワイの部屋や」
彡(゚)(゚)「中はバスルームとベッドだけの部屋やな」
彡(゚)(゚)「さて、まず礼服を脱いでカゴに入れて、ドアの外に出す」
彡(゚)(゚)「そして入浴して、ベッドに横になると」
彡(゚)(゚)「どこかからプシュッって音がして、数秒で」
彡(-)(-)「Z z z……」 -
ピリリリリリ
彡(゚)(゚)「ん」
彡(゚)(゚)「おっと朝か、スッキリした目覚めやで」
彡(゚)(゚)「さてドアの外には…来てるわ、クリーニングされた礼服や」
彡(゚)(゚)「身だしなみをして、礼服をきっちり着て、さて今日も結婚式に出るか」
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「いや、おかしいやろ、こんな生活…」 -
彡(゚)(゚)「なんでワイは毎日結婚式に出てるんや?」
彡(゚)(゚)「新郎新婦は毎日違う人やけど、いったいどこの誰なんや?」
彡(゚)(゚)「それ以前にワイはいったい誰や?」
彡(゚)(゚)「部屋の窓には……」
彡(゚)(゚)「深い森の中みたいやな、ロビーの窓も森しか見えへんかった…」
彡(゚)(゚)「この式場はどこに建ってるんや、ワイはなんでこの中でだけ生活を……」
彡(゚)(゚)「あかん、ワイ一人で考えられることやない」
彡(゚)(゚)「あいつに相談するか」 -
(´・ω・`)「今日の料理もおいしいねえ、本格中華だね」
(´・ω・`)「この北京ダック、サクサクと崩れるような食感が最高だね、北京ダックには吊るしてローストする方法とオーブンで蒸し焼きにする方法があるけど」
(´・ω・`)「これは一時間以上ゆっくりローストしてるね、皮下脂肪の層がほとんど無くなって、皮の旨味と食感が」
彡(゚)(゚)「こいつはいつもワイの近くに座ってるやつや」
彡(゚)(゚)「色んなこと知ってるやつで、いつも料理の薀蓄を話してくれる」
彡(゚)(゚)「オムレツなら一時間、寿司なら三時間は喋り続けるほどで」
(´・ω・`)「何ブツブツ言ってるの?」 -
彡(゚)(゚)「なあ、この結婚式って誰の式やったっけ?」
(´・ω・`)「え?」
(´・ω・`)「誰の式って、新郎も新婦も毎日違う人じゃない」
彡(゚)(゚)「せやから、何でワイらが出席してるのかって話や、ワイらとどういう関係のある人なんや」
(´・ω・`)「結婚式ってそういうもんじゃないの? 例えば村で誰かが結婚するときは、村の人は、だれでも好きに出席して祝え、る……」
(´・ω・`)「…………あれ?」
(´・ω・`)「いや、おかしい……、なんで僕たちが出席しているの…」
(´・ω・`)「そもそも、僕たちは、この生活に入る前まで何をしてたの…?」
(´・ω・`)「それになんで結婚式で中華…?」
彡(゚)(゚)「お前もか…」 -
(´・ω・`)「ええと、そう言えば僕たち、互いの名前も知らないね」
彡(゚)(゚)「ワイの名前…確か、やきうや」
(´・ω・`)「僕は原住民…だった気がする」
彡(゚)(゚)「会話することはあるけど、料理のこととか、余興についての話だけやからなあ」
(´・ω・`)「朝から晩まで結婚式に出てるからね」
(´・ω・`)「何が起こってるんだろう? スタッフの人とかに聞いてみる?」
彡(゚)(゚)「……いや、あまり目立ちたくない」
彡(゚)(゚)「実は昨日の式で…」
(´・ω・`)「……リセット?」 -
司会者「続きましての余興は中庭で行われます、どうぞご移動ください」
彡(゚)(゚)「とりあえず移動しよか」
(´・ω・`)「そうだね」
彡(゚)(゚)「中庭もホンマに立派やなあ」
彡(゚)(゚)「かなりの広さがあるし、噴水や彫刻もある、花壇も立派や」
彡(゚)(゚)「余興もほんとに色々ある、こないだは手持ち花火ってやつやったし」
(´・ω・`)「ジャグリングや水芸もあったね、音楽なら弦楽四重奏からヘビメタまであるし」
彡(゚)(゚)「今日は何やろ、何人か出てきたけど」
(´・ω・`)「組体操みたいだね」
(´・ω・`)「とりあえずケーキバイキングがあるから何個か取ってくるよ」
彡(゚)(゚)「せやな、ワイの分も頼む……」
彡(゚)(゚)「……いや、それどころやないんやった」
彡(゚)(゚)「興味がすぐ式の方に行ってまうなあ、なんでやろ…」 -
彡(゚)(゚)「すごい技やな、五人が肩車でタワーになってるで」
(´・ω・`)「カステイだね、スペインのバレンシア地方で見られる伝統的な組体操だよ」
彡(゚)(゚)「せやけど、さすがにちょっと高すぎるで……」
彡(゚)(゚)「あっ!」
彡(゚)(゚)「てっぺんの奴が落ちたで!!」
ボキィッッ
彡()()「あああああああ!! く、首が!! 首が折れてる!!」 -
司会者「おっと、ちょっとしたトラブルのようです」
司会者「大丈夫です、すぐに別の余興を用意いたしますので、しばしご歓談ください」
彡(゚)(゚)「べ、別の余興て……」
彡(゚)(゚)「……なんや、組体操してた他のメンバーも、何事もなかったように落ちたやつを運んで……」
彡(゚)(゚)「ほんまに次のが来たで、ピエロが三人や」 -
彡(゚)(゚)「ジャグリングが始まったけど、いや、さっきの人どうなったんや……」
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「やきう君、見た?」
彡(゚)(゚)「見てもうたわ、首がポッキリと……」
(´・ω・`)「そうじゃない、頭から落ちたでしょ、頭部に大きな裂傷ができてたのに、血が一滴も出てなかった」
彡(゚)(゚)「そうなんか?」
(´・ω・`)「あれはロボットだ、人間じゃない」
彡(゚)(゚)「!!」 -
彡(゚)(゚)「な、なんでロボットが余興を!?」
(´・ω・`)「わからない……」
(´・ω・`)「それに、あんなに人間そっくりなロボットは見たことがない」
(´・ω・`)「というか、今はいったい何年……?」
彡(゚)(゚)「……そうか、分かったで」 -
(´・ω・`)「うん?」
彡(゚)(゚)「ワイらも……ロボットなんや」
彡(゚)(゚)「ワイらはこの結婚式場のスタッフなんや」
彡(゚)(゚)「列席者という役割のロボットなんや!」
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「…確かに、式に出てくれる友人が少なかったり、新郎と新婦で来客数に大きな差がある場合、サクラで式に出るアルバイトがある、という話は聞くね」
彡(゚)(゚)「ワイらはこの式場が用意してるロボットなんや……」
(´・ω・`)「いや、それは違うと思うよ」
彡(゚)(゚)「なんでや?」
(´・ω・`)「だって僕たちは飲み食いしてるし、トイレも行くし」
(´・ω・`)「顔にうぶ毛も生えてるし、唾液や涙も出る、ロボットでここまで再現するとは思えない」
(´・ω・`)「さっきのロボットは血が出てなかったけど、僕たちは血管も見えるし、脈も打ってるから」
彡(゚)(゚)「せやけど…」 -
(´・ω・`)「じゃあ何か、目に見える証拠を探そう」
(´・ω・`)「やきう君、そこのスプーンを頬の内側に当ててみて」
彡(゚)(゚)「へ? こうか?(モゴモゴ)」
(´・ω・`)「ミネラルウォーターのペットボトルを用意して、首の少し下で切る、漏斗の形だね」
(´・ω・`)「そしてフタにアイスピックで穴を開ける」
(´・ω・`)「ここに丸いガラス玉かビーズをはめ込めば、手作りの顕微鏡になるんだよ」
(´・ω・`)「プレパラートもペットボトルの切片で作れる」
彡(゚)(゚)「ビーズなんてどこにあるんや?」
(´・ω・`)「結婚式場ならあちこちにあるよ、そのコサージュされてる造花にもついてる」 -
(´・ω・`)「見える見える、これが頬の内側の細胞だね」
彡(゚)(゚)「おお、ほんまや」
(´・ω・`)「これで証明できたね、さすがに細胞レベルからロボットを作るとは思えないし」
(´・ω・`)「僕らは人間だよ」
彡(゚)(゚)「ワイらって人間なんかな」
(´・ω・`)「それは今はおいておこう」
彡(゚)(゚)「ワイらがロボットでないのはわかったけど、何が起ってるのかは謎のままやな」
(´・ω・`)「そうだね、情報が欲しいけど、うかつに人には聞けないし、外にも出られない……」
(´・ω・`)「無電源ラジオを作るには材料のハードルが高いなあ」
(´・ω・`)「バス停や蛇口がラジオになったなんて例もあるけど、あれは送信所の近くの話だし…」
彡(゚)(゚)「話についていけへん……」
司会「さあ新婦によるブーケトスです、ご希望の方は列の前にお並びください」
(´・ω・`)「!!」
(´・ω・`)「やきう君! あのブーケ取ってきて!」
彡(゚)(゚)「へ?」 -
(´・ω・`)「いいから早く!」
彡(゚)(゚)「わ、わかった」
司会者「さあブーケをお投げください」
彡()()「うおおおおぉぉっっ!!!」
ゴロゴロ
彡(゚)(゚)「はあはあ……と、取ってきたで、礼服に土がついてもうたわ」
(´・ω・`)「ありがとう、ちょっとトイレに行こう」
彡(゚)(゚)「?」
彡(゚)(゚)「トイレに来たけど、どうしたんや?」
(´・ω・`)「よく見て、このブーケ、生花じゃなくて造花だ」
彡(゚)(゚)「せやな」
(´・ω・`)「その中に、英字新聞で作った手裏剣みたいな花が混ざってる
彡(゚)(゚)「ふむふむ、ほんで?」
(´・ω・`)「英字新聞だよ、立派な外の情報だ」
彡(゚)(゚)「あっ! そうか!」
(´・ω・`)「読んでみるよ、えと、ん……」
(´・ω・`)「『休刊のお知らせ』」 -
(´・ω・`)「『617年に渡りご愛顧いただきましたデイリー・テレグラフ紙は、その歴史的な役割を終え、休刊となりました』」
(´・ω・`)「『もはや報道されるべき犯罪もなく、抱くべき不安も耐えて久しく、新聞がその役割を終えることは大いなる歓びであります』」
(´・ω・`)「『以後は気象情報、年中行事その他につきましては電子版にて配信を行います』」
彡(゚)(゚)「ほーん、休刊するんか…」
(´・ω・`)「…………」
(´・ω・`)「そ……そんな、バカな……」 -
彡(゚)(゚)「ど、どうしたんや? 新聞が休刊になるのは珍しいかも知れんけど、別に……」
(´・ω・`)「そうじゃない…デイリー・テレグラフ紙はイギリスの新聞だけど」
(´・ω・`)「その創刊はえーと……クリミア戦争の頃…そう、たしか1855年だよ」
彡(゚)(゚)「?」
(´・ω・`)「それが617年間のご愛顧って…」
(´・ω・`)「つまり今は、少なくとも西暦2472年以降だよ!」
彡(゚)(゚)「なんやて!?」 -
彡(゚)(゚)「も、もう驚くのも疲れたけど、どういうこっちゃ」
(´・ω・`)「……僕たちの記憶は21世紀初頭のものなのに」
(´・ω・`)「僕たちはここで400年近くも…?」
彡(゚)(゚)「せやけど新聞が役割を終えたってのも変な書き方やな、犯罪がないとか、不安がないとか」
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「いろいろ、可能性は考えられるけど、これ以上は考えても仕方ないね」
(´・ω・`)「ここを出よう、外は森だったし、少なくとも冬じゃなかった、出てしまえば何とかなる」
彡(゚)(゚)「せやけど、ドアには鍵が…窓から逃げるんか?」
(´・ω・`)「こっそり逃げるとは言ってないよ」
(´・ω・`)「火事を起こせば、お客は外に出さざるを得ないでしょ?」
彡(゚)(゚)「えぇ…(ドン引き)」 -
-数日後-
(´・ω・`)「準備完了だ、今夜の0時ちょうどに自動発火装置が作動する」
彡(゚)(゚)「お前すごいな、ありあわせの材料でよくそんなもん……」
(´・ω・`)「原始的なものだよ、でも設置した部屋のスプリンクラーは壊してるし、紙も置いてるから、それなりの大火事になるはず」
(´・ω・`)「今日はベッドに横にならず、床に座っててね」
彡(゚)(゚)「床に座っとけばプシュッてならへんのは確認済みやからな」
(´・ω・`)「そう、火災のベルが鳴るはずだから、そうしたら式場の前まで走ってきてね」
(´・ω・`)「服は着てたほうがいいな、礼服はカゴに置かずに着たままでいて」
彡(゚)(゚)「わかった」 -
彡(゚)(゚)「さて、そろそろ夜の0時かな?」
彡(゚)(゚)「あいつはああ言ってたけど、ホンマに自動発火装置なんて……」
ジリリリリリリリ!!!
彡(゚)(゚)「おお! ホンマに鳴ったで! 漫画みたいや!」
彡(゚)(゚)「よっしゃ式場まで行くか!」 -
彡(゚)(゚)「ホールには非常灯だけやな、薄暗いわ」
(´・ω・`)「やきう君、上手く行ったね」
彡(゚)(゚)「おお、お前か」
彡(゚)(゚)「ちょっと煙も出てるな、大したことはないけど」
彡(゚)(゚)「お、ホールにスタッフの人がいるわ」
係員「……」
(´・ω・`)「すいません! 火事です! いったん外に出してください!」
彡(゚)(゚)「あのベルの音が聞こえるやろ!! 煙も出てる! 出してくれ!!」
係員「……」
彡(゚)(゚)「と…止まってるで」
(´・ω・`)「顔にうぶ毛がない…。この人もロボットみたい」 -
(´・ω・`)「でも電源が落ちてる…のかな? 動かないな」
司会者「どないしはりましたか?」
彡(゚)(゚)「あ、司会者のおっさん」
彡(゚)(゚)「火事なんや! 外に出してくれ!!」
(´・ω・`)「煙も出てます、吸い込むと一酸化炭素中毒の恐れも……」
司会者「……」
司会者「ははあ、あんたたち、暗示が解けてますなあ」
彡(゚)(゚)「は?」
司会者「こちらへどうぞ」 -
彡(゚)(゚)「なんか長い廊下に入ったで、なんやここ」
司会者「ここは複数の施設が隣接してましてな、その中を通る見学用通路ですわ」
司会者「お二人とも、新郎新婦とスタッフがすべてロボットなのはご存知ですか」
彡(゚)(゚)「せやな、こないだ首が折れた奴がいたし」
司会者「最近メンテ不足ですな、今度オーバーホールせんとあきまへんわ」
(´・ω・`)「あなたは人間なの?」
司会者「私はただ一人の人間の職員ですな、といっても持ち回りですんで、5年で別の参列者が司会者に変わりますわ」
彡(゚)(゚)「どういうこっちゃ」 -
彡(゚)(゚)「おや、ずっと歩いてたら窓のある廊下に来たわ」
彡(゚)(゚)「窓の外は体育館ぐらいの部屋やな、カプセルみたいなもんがズラッと並んでるわ」
彡(゚)(゚)「中に誰かいるような…」
司会者「お二人とも、記憶はどこらへんまでありますか」
(´・ω・`)「21世紀初頭ぐらいまでです、自分のことはあまり覚えてないけど」
彡(゚)(゚)「ワイもそんなもんやな」
司会者「では最初からですな」
司会者「驚かんで聞いてほしいんですが、今はそれから数百年後の世界です」
司会者「私も日付とか興味ないんで覚えてませんが」
彡(゚)(゚)「……」 -
司会者「人間もだいぶ進歩しましてな」
司会者「もう欲しいものは何でも作れるし、病気や老化もないし、必要な労働もロボットがやってくれますんや」
(´・ω・`)「ということは、完全な核融合炉の完成とか、水と空気から有機物を作れるとか、そういう技術が?」
そうです、そんな感じです」
彡(゚)(゚)「このおっさん意外と頼りないで……」
彡(゚)(゚)「おや、廊下の外、今度は黒い板みたいなんがズラッと並んでる」
彡(゚)(゚)「一つ一つに名前が書いてあるな、お墓みたいや」
彡(゚)(゚)「おや、表面にニコニコ動画みたいに文字が走ってる…歓喜、幸福、感動、不安、充足、性的興奮」
彡(゚)(゚)「なんのこっちゃ」
司会者「……えーと、 -
(´・ω・`)「でも病気や老いもないって、不老不死ってこと?」
司会者「それに近いもんらしいですわ」
司会者「火事の騒ぎで一酸化炭素中毒がどうとか言うてましたやろ、それで気づきましたんや、暗示が解ける時、記憶喪失みたいになる方がいますよってな、この人ら不老不死のこと忘れてるな、と」
彡(゚)(゚)「ほーん、なるほど」
彡(゚)(゚)「せやけど話が見えてこんで、なんでワイらは結婚式に出てるんや」
司会者「誰かが考えはったんですわ」
司会者「美味しいものを食べて、面白い余興を見るだけの日々だと、すぐに飽きてしまう」
司会者「かといって毎日仕事するのも辛い、そもそもお金を稼ぐ意味もほぼ無くなってる」
司会者「娯楽と仕事の中間でないと駄目なんやそうです。楽しいながらも、義務感と緊張感があることで退屈せず長続きするそうですわ」
彡(゚)(゚)「ほーん…じゃあ何や、すっごい大掛かりな暇つぶしなんか」
彡(゚)(゚)「あの豪華な料理とか、余興をやるロボットまで用意して…」
司会者「今の世の中、そういうのもタダ同然ですからなあ」 -
彡(゚)(゚)「おや…廊下の外、今度はでっかいプールや、水が緑色やな」
彡(゚)(゚)「なんか人型のもんがたくさん浮いてる、ロボットには見えへんけど…」
司会者「あまり見んほうがよろしいで」
(´・ω・`)「質問なんですが、暗示がどうとか言うのは?」
司会者「この生活は長続きしますけど、それでも何十年もやってれば流石に飽きてきます」
司会者「なので定期的に記憶を消して、この生活は義務や、何も疑問を持たずにいるべきや、という暗示をかけるんですわ」
司会者「まれに、自然に暗示が解ける人もいまして、そういう場合は2010年代ぐらいからごっそり記憶が消えるようですな」
彡(゚)(゚)「今のワイらの状態やな」
司会者「ちゃんと処置を受ければ思い出せますわ」
彡(゚)(゚)「……」 -
司会者「つきましたわ、ここの医務室に記憶のなんや…難しい名前の機械があります」
司会者「せやけど、この廊下を真っすぐ行くと、スタッフ用の出口から外に出れます」
彡(゚)(゚)「選ばせてくれるんか?」
司会者「記憶の処置は本人の意思がないとあかんのです、外に出るのも自由です。外を見てから戻ってきてもよろしいで」
(´・ω・`)「……外の世界に、普通に生きてる人はいるの?」
司会者「いますで、でっかいロケットで太陽系から出ようとしてる人とか」
司会者「不老不死を拒否して畑とか作ってる人もおりますわ」
司会者「ただ、そういう人らは全部集めても1万人ってとこですな」
彡(゚)(゚)「……」
(´・ω・`)「……」 -
彡(゚)(゚)「ワイは外に出るわ」
(´・ω・`)「僕もそうするよ」
司会者「そうですか、ではこれ、保存食と水ですわ、リュックもありますで」
司会者「外には車もあります、半自動運転ですんで、口で命令するだけで走ってくれますわ」
彡(゚)(゚)「なんや、えらい準備がええなあ」
(´・ω・`)「まるで、外に出るって言うと分かってたみたい…」
司会者「まれに暗示が解ける人がいるって言いましたやろ」
司会者「前任者からの引き継ぎですが、暗示の解けた方は、ほぼ間違いなく外に出たがるそうですわ」
彡(゚)(゚)「…………」
司会者「不思議なもんですな、自分たちでここまでのもんを作り上げたはずやのに」
司会者「なぜか、いきなり目の当たりにすると拒否感があるそうですわ」
司会者「まあ、いつでもお待ちしてますよって、世界旅行の気分で行ってくるとよろしで」
(´・ω・`)「……わかりました、じゃあ、お元気で」
彡(゚)(゚)「……ほな」
司会者「はい、ではまた」 -
彡(゚)(゚)「おっと夜が明けてきたわ」
(´・ω・`)「この車すごいね、暗い森の中でもすいすい走ってたよ」
彡(゚)(゚)「さすが数百年後の技術やなあ」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「こんなに凄いもんが作れるのに、なんであんな施設に引きこもったんやろ」
(´・ω・`)「そうだねえ、あの生活はあれで楽しかったけど」
(´・ω・`)「何百年もあの生活の繰り返しってのはちょっと……」
彡(゚)(゚)「まあ生き残ってる人ってのに期待しようか」
(´・ω・`)「そうだね、ケープカナベラルにはまだNASAがあるらしい」
(´・ω・`)「核融合エンジンのロケットが見られるそうだよ、楽しみだなあ」
彡(゚)(゚)「それはよう分からんけど、ワイも世界を回って色々見ようと思うわ」
(´・ω・`)「うん、せっかく外に出たんだし、今は楽しく過ごそう」
彡(゚)(゚)「せやな」 -
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)(いま、ワイ、「生き残ってる人」って自然に言うてもうたな)
彡(゚)(゚)(そういえば施設はまだ見られるやろか、振り返ってみたろ)
彡(゚)(゚)「うおっ……なんや、あの巨大なビルは」
(´・ω・`)「大きいねえ、地上500メートルはありそうだ、あの中に式場とかが入ってたんだね」
(´・ω・`)「もしかして、式場と宿泊施設のセットが、他にも何十とあったのかな」
(´・ω・`)「でも凄いよ、人間の技術力はほんとに進歩したんだね」
彡(゚)(゚)「進歩……」
彡(゚)(゚)(ワイにはあの建物は、黒い立方体は、ビルと言うより……)
彡(゚)(゚)(……ま、ええか、暗いことは考えんでおこう)
彡(゚)(゚)(せっかくワイらも、生き残ったんやしな……) -
(´・ω・`)「そういや今見てみたけどなんJも残ってるね、これも娯楽なのかな」
彡(゚)(゚)「ああ、ワイはあそこはもうやめたんや。煽りあいばっかになってしまったからな」
彡(゚)(゚)「どこかなんJに近い設定の板があればええんやが…」
(´・ω・`)「それならいい板知ってますよ」 -
(´・ω・`)「Anarchy実況板はここが凄いッッッッ!!!」
(´・ω・`)「その1ッッッ!!!!規制が『連投ですや』以外ない!!!!!」
彡(゚)(゚)「規制がない!?ほんまなんか!?」
(´・ω・`)「本当だ!!!規制で他の板に書き込めなくなった人もAnarchy実況板なら書けるぞ!!!」
(´・ω・`)「海外の回線やVPNでも書き込めるぞ!!!!」
彡(゚)(゚)「『連投ですや』ってなんや?」
(´・ω・`)「短期間で何度もレスをするとこのエラーが出て数分書き込めなくなるんだ!!!でもクッキーを削除すればこの規制もすぐ解除されるぞ!!!」
彡(^)(^)「つまりクッキーを削除すれば実質完全に規制がないわけやな!!!!」
(´・ω・`)「そういうことだ!鋼.兵も書き放題だぞ!!!」 -
(´・ω・`)「Anarchy実況板はここが凄いッッッッ!!!!」
(´・ω・`)「その2ッッッ!!!スレ保持数がたったの10!!!!」
彡(゚)(゚)「スレ保持数が10しかないんか!!?」
(´・ω・`)「そうだ!!!穴実ではこのなんJより遥かにスレ保持数が少ないんだ!!!」
(´・ω・`)「糞スレはどんどん消えていく!!!これが穴実だ!!!」
彡(^)(^)「凄いな!!!スレの回転率が高くなりそうやね!!!!」 -
(´・ω・`)「Anarchy実況板はここが凄いッッッッ!!!!」
(´・ω・`)「その3ッッッッ!!!3分書き込みがないスレは落ちる!!!!」
彡(゚)(゚)「たった3分で落ちてしまうんか!!?」
(´・ω・`)「そうだ!!!その2で説明した保持数の少なさと相まって穴実はとても狭くて濃密な板なんだ!!!!」
彡(^)(^)「チャットのような板なんやな!!!!」 -
(´・ω・`)「Anarchy実況板はここが凄いッッッ!!!!」
(´・ω・`)「その4ッッッ!!!過去ログがない!!!!」
彡(゚)(゚)「過去ログがない!!?じゃあスレが落ちたらそのスレは読めなくなるんか!?」
(´・ω・`)「そうだ!!!だからどんなに恥ずかしいことを書き込んだり間違えて個人情報を晒してしまってもスレが落ちたらわからなくなるぞ!!!」
彡(^)(゚)「それは凄いな!!!ワイは昔なんJにうっかり実家の住所を晒してしまったけど穴実ならそれも平気やな!!!」
(´・ω・`)「その板の仕様から板が設立された初日には大量のハセカラ民が押し寄せたこともあるんだ!!!!」
(´・ω・`)「そういう経緯で穴実の先住民はなんJ民だ!!!だから唯一なんJ以外で猛虎弁やなんJネタを使える板なんだ!!!!」
彡(゚)(゚)「なんJ民にもピッタリの板やな!!!!」 -
(´・ω・`)「Anarchy実況板はここが違うッッッ!!!!」
(´・ω・`)「その5ッッッ!!!5ch運営から直々になんJ民の移住板に指定されている!!!!」
https://i.imgur.com/4l5CEYw.jpg
彡(゚)(゚)「ほんまか!?じゃあ穴実はなんJの正当な移住地なんか!?」
(´・ω・`)「そういうことだ!!!このCipher Simianは現在の5chのトップ(ひろゆきやジムの立ち位置)やから絶対だ!!!!」
彡(゚)(゚)「穴実の他に松本りせって板も運営が言ってるけどここは?」
(´・ω・`)「そこはワッチョイあるからやだ」 -
彡(^)(^)「お前の話を聞いていたらワイもAnarchy実況板に行きたくなって来たで!!!!」
(´・ω・`)「そうだろ?穴実のみんながお前を待ってるぞ!!!今日からお前も穴実民だ!!!」
(´・ω・`)「さあ!!!!一緒に穴実へ足を踏み入れるぞ!!!」
彡(^)(^)「せやな!!!」
────感動が、そこにある。Anarchy実況
https://agree.5ch.net/liveanarchy/ -
i.、
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i / r,-,\ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ、
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i | _)./ ̄ 金曜の次?
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ノ〈ヽ >< / i
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く___> -
n
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宣伝やのうて普通に書いてや
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面白かった
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ゝ > 、__ノ ノ \/ ○ と、 )
 ̄V  ̄ 〈\ / |(_ノ
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これ途中コピペミスってるよね
久々に読んだけど最後どうなったんだっけ? -
>>51
似たような終わり方だボケ -
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な
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( ‘j’ ) (‘j’ )
と と ヽ ⊂ ⊃
しーJ Oー-J
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