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創作発表
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【剣と魔法】ファンタジークエスト【TRPG】
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ルイージの墓場の最深部は松明で照らしてなお暗い。
まるで闇が生き物のように蠢いて纏わりつくようだった。
この薄気味悪さと不快感には覚えがある。
暗黒魔法を使う時に感じる魔界の気配と似たものだ。
やがて開けた空間に出ると闇の中で何かが動いた。
一つ、二つどころじゃない。夥しい影を感じる。
「そこにいるのは誰なんだ……?」
恐る恐る声を掛けてみると、闇の中から二つの影が前に進み出た。
不思議なことにその影の周囲だけがぼんやりと明るくなる。魔法の類だろうか。
幽鬼のように覚束ない足取りで進み出てきたのはローブを羽織った男。
「名乗るべき名は捨てた。私は何者でもなく……ただこの世に暗黒を齎す存在なり……」
何かの骨でできた杖で地面を突きながらこちらへ近づいてくる。
僕は松明でその男を照らしてみるとフードに隠された顔が露になった。
――肌も肉も削げ落ちた死者。腐り果てた骸骨だ。
「呪術、死霊術、暗黒魔法……外法の全てに手を染め、外道に堕ちた不死の魔術師――。
それが私だ。判る、判るぞ、貴様から漂う闇の魔力を……私と同じ禁忌に手を染めし気配を……」
「リッチだな……!倫理はおろか人間も捨てたアンデッドがどうして勇者の墓にいる!
今まで行方不明になった冒険者達は何処にいるんだ!?」
ゾンビと化した二人の冒険者の光景がフラッシュバックする。
僕は思わず語気を荒げて不死の魔術師(リッチ)に問う。
骸骨は僅かな腐臭を放ちながら超然としていた。
まるで俎上の魚を眺めているかの如くだ。
「終焉が迫っている……遠くない将来世界は瘴気に包まれ、闇の軍勢が解き放たれるであろう……」
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