キッカーから飛んだ後に板履いてないのに気付いた

　暇だからヤフオクを見ていたら、今年モデルの板（美品）が出品されていたから思わずポチったが、もう滑られない事に気付いた。
忘れていた訳じゃない、気付かないようにしていただけだったのかもしれない。

　数日後、自宅に届いた板を彼女は病室まで持ってきてくれた。
「いつでも滑れるようにワックスかけとくね」
その優しさが辛かった。
「――君はさぁ、俺を虐めて楽しいの？もう、滑れやしないのに」
「……大丈夫だよ。諦めなければ、きっといつか――」
「諦めろって言われたのさ！今日、先生に直々に言われたのさ。もう、奇跡や魔法でも無い限り治らないんだ……」
「……あるよ！」

　　　　　　　　　　「……　奇　跡　も、　魔　法　も、　あ　る　ん　だ　よ　……！」




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